なぜ、シェーヌダンクルはエルメスブティックでは手に入りにくいのでしょうか。それはひとえに生産される数量が少ないから。日本国内では特に人気が高く、手に入りにくさを助長しています。
エルメス製品のほとんどはフランスの40数カ所の工房で造られています。ジュエリー製品も類に漏れず、限られたエルメスのアルチザン(職人)の手によって造られているのです。
世界的ブランドの規模から考えるとその生産拠点数は限りなく少なく、更にほとんどの製品を手造りで仕上げているとなると自ずと生産数が限られてしまう事は避けられ無いでしょう。とは言え、1837年の創業以来、アルチザン(職人)によるものづくりと関わる全ての人を大切にするという価値観を守り続け、常に最高の素材を追求し、卓抜したノウハウを伝承していく為の理念がそこにあるのです。
1938年にロベールデュマによって生み出されシェーヌダンクル。今もなお支持され続けているのは普遍的なデザイン性だけではなく、アルチザンのものづくりの理念がそれを支えているに違いありません。これまで何人のアルチザンがシェーヌダンクルを造ってきたのでしょう。その一人一人がエルメスのエスプリ(精神)を宿し、シェーヌダンクルを手にした人の人生が幸せになる様にと願いを込めて造ったはず。
これがシェーヌダンクルの希少さの由縁。歴史の重みがあり手に入れたいと思うには十分すぎる理由があります。
とは言え、エルメスを代表するシェーヌダンクルは決して安い物はありません。けど、躊躇せず迷わず手に入れてください。手に入れたなら、その繊細さと完成度に驚き、喜びを感じる事でしょう。シェーヌダンクルに彩られたあなたの手元や首元は、もはや誰が見ても昨日までのあなたとは違うのです。好ましく上品な唯一無二のデザインがこれからの人生を永く華やかに彩ってくれる。
それはフランスで生まれた瞬間から、長い年月をかけて、あなたの元に辿り着く運命だった、あなたのシェーヌダンクルなのです。